うちのコ最高! と思うならば、ドッグ・ショーに出してみたいと思うのが、飼い主の心。
ならば、さらに愛犬を磨かなければ! と、そもそもドッグ・ショーとは、どれだけその犬種のスタンダードに近いかを審査することであって、ここで選ばれた犬たちが、後世にすぐれた純粋犬を残すという役割を果たすために存在します。決して他の犬と競いあうものではありません。
ショーに愛犬を出場させることにより、飼い主は、犬について深く勉強をすることとなり、さらに愛犬の魅力がわかるようになるはずです。


ドッグ・ショーが始めて開かれたのは、1859年イギリス・ニューカッスル。鉄道や輸送機関の発達で、イギリス全国各地で行われるようになりましたが、ルールがはっきり決まっていなかったために、トラブルが続出。そこで、1873年にショーの管理、法律規正を含めたルールつくりを目的としたケンネル・クラブ(KC)が設立され、以後、ショーは世界規模へと発展していきました。
ケンネル・クラブの設立によって純粋犬の育成が増加し、訓練法が普及したことから犬の質が向上し、愛犬家が増えたといわれています。

1884年にはケンネル・クラブを母体にアメリカン・ケンネルクラブ(AKC)が設立され、日本では1913年に初のドッグ・ショーが開催され、1949年に設立された日本警備犬協会を経て、1976年にジャパン・ケンネル・クラブ(JKC)が誕生しました。
現在、日本各地で行われているドッグ・ショーの多くが、JKCや、日本ケンネル・クラブ(NKC ) などの元で行われています。

ドッグ・ショーとは、基本的にケンネル・クラブが定めた犬種の理想とされるスタンダード(ブリーダーによって長年かけて生み出された、犬それぞれの特徴、体型、性格、被毛、毛色など)を元に、比較審査される品評会であり、ショーで表賞することで、各犬種の純粋犬を後世に残していくという役割を果たしています。

審査はトーナメント方式で行われ、まず始めにオス、メスそれぞれ同じ犬種同士で審査を受けます(チワワならばチワワのオス、チワワのメスというように)。それぞれの犬種の中から、オス、メスそれぞれのBOB(ベスト・オブ・ブリ−ド)を選出し、次に、それぞれの犬種が所属するグループで審査し、BIG(ベスト・イン・グループ)を選出します。
そして、その上で全犬種のオスのトップ(キング)、メスのトップ(クイーン)が選ばれ、さらにこのキングとクイーンで審査し、最高栄誉であるBIS(ベスト・イン・ショー)が誕生します。



出場犬は、犬種ごとに年齢で区別されたクラスにおいて、オス、メス審査を受けます。この中から選ばれたそれぞれのウィナ−(勝者)を、オスは「WD(ウィナーズ・ドッグ)」、メスは「WB(ウィナーズ・ビッチ)」と呼びます。ここでウィナ−になった犬たちは、チャンピオンクラスにエントリーされた犬(過去にショーで優秀な成績を収め、チャンピオンの資格を取得している犬)たちとともに審査され、その犬種のBOBが選ばれます。

年齢区分は以下の通りになります。

ジュニア 生後9ヶ月1日以上15ヶ月以下
ヤングアダルト 生後15ヶ月以上24ヶ月以下
アダルト 生後24ヶ月1日以上
チャンピオン 国外公認団体CHは年齢に関わらず、チャンピオンクラスの出場となる


  グループの数は、シープ・ドッグ&キャトル・ドッグ、テリア、ダックスフンド、コンパニオン&トイなどを含む、10つ(クラブ連合会展の場合、特別に日本犬が第11グループに編成されます)。
BOBに選ばれた犬たちは、同じグループの他の犬種のBOB(オス、メスそれぞれ)の中で審査され、グループ最優秀であるBIGが選出されます。
ちなみにFCI展、連合展、クラブ展のうち、クラブ展はグループ審査はありません。


  それぞれのグループ代表となったBIGで、オスのトップ(キング)、メスのトップ(クイーン)が選ばれます。そして、ここで初めてオスのキングと、メスのクイーンが一緒に審査され、そのドッグ・ショーの最高名誉となるBISが決定するのです。


・・・オス ・・・メス

WD・・・ウィナーズドッグ  WB・・・ウィナーズビッチ  BOB・・・ベストオブブリード
BIG・・・ベストイングループ  BIS・・・ベストインショー

 


全体的外観(サイズ/プロポーション/骨格など)、各部の構造(頭部/首/胴/足など)、性格、被毛、歩き方、サイズと、ケンネル・クラブが推定した、それぞれの純粋犬のスタンダードにどれだけ近いかを基本に、審査員による固体審査と歩様審査が行われます。
肉体的に健康であるか、毛ツヤはいいか、歯の噛み合わせはよいか、きちんとしたマナーがしつけられているか、歩くだけでも何か光り輝くものがあるか、などを審査していきます。



・タイプ 犬種の特別な質に忠実であるか
・コンディション 健康状態や精神状態がよいか
・クオリティー 犬の質の充実度や洗練度
・サウンドネス 精神的、肉体的に健康であるか
・キャラクター 魅力があるかどうか
・バランス 身体の各部分のバランスがとれているか

例:JKC主催のもの

1. まず、犬のオーナーがジャパン・ケンネル・クラブ(JKC)の会員であり、愛犬を会員名義の登録犬であることを前提にショーに出場できるので、JKCに愛犬を登録しましょう
(JKC犬籍登録課【TEL】03-3251-1653)。

2.   下見に、ドッグ・ショーがどのようなものかを見に行くことをオススメします。
3.   ショーの予定は、JKCに登録すると毎月送られて来る会報誌「家庭犬」で調べるのが一番てっとり早いかと思われます。ショーに出場する際は、まず開催日と開催場所を確認したうえ、開催会事務所に問い合わせをします。そして、ショーの事前に参加申込書を作成して、所定の出場料(¥7000〜)をそえて主催者へ申し込んでおきます。
4.   ショーにむけて、愛犬にマナーを入れる訓練や、トリミングを行いましょう。
訓練に関しては、手慣れている飼い主ならばよいですが、初めてという人は数カ月プロに依頼し預けてしまう手もあります。
クラブ連合会展で開催されるオーナーハンドラ−(初心者)の講習会を受けるのもよいでしょう。
初めてショーに出る場合は、ショー当日プロハンドラ−に愛犬を引いてもらうことも可能です(そのためには数ヶ月の訓練が必要となります)。
5.   そして当日、慣れている犬ならよいですが、初めて出場する犬や、子犬(を出場させる場合)にとっては、出番まで狭いゲージの中で待ったり、ほかの犬と出会ったり、高い台で知らない人に口の中を触られたりと、犬にとってはとても緊張する場であります。
これも経験のひとつとして捉えるのと同時に、一息つく際には、緊張をほぐしてあげるとよいでしょう。